症例の概要
今回は、前歯のすきっ歯を治したいことを主訴に来院された40代女性の患者さまに対し、インビザラインによる非抜歯矯正を行った症例をご紹介します。
すきっ歯の治療では、単に隙間を埋めるのではなく、歯の大きさや形、歯の傾き、噛み合わせの状態を見た上で、矯正治療と修復治療のどちらが適しているかを判断することが大切です。
本症例では、上顎前歯の形態が良好で、下顎前歯には軽度の叢生も認められたため、修復治療より矯正治療の方がメリットが大きいと判断しました。
主訴と初診時の状態

患者さまは、すきっ歯を治したいことを主訴に来院されました。
初診時には、上顎正中に約2mmの空隙が認められ、下顎前歯には軽度の叢生もみられました。
一方で、上顎中切歯の形態や大きさは正常範囲内で、上顎前歯全体の形態も良好でした。
そのため、歯の形を変えて隙間を埋めるよりも、歯の位置を整えた方が自然に改善できる状態と考えられました。
- 年齢・性別:40代女性
- 主訴:すきっ歯を治したい
- 状態:上顎正中に約2mmの空隙、下顎前歯に軽度の叢生を認める
- 特記事項:上顎前歯の形態、大きさは正常範囲内
治療の内容と詳細
- 治療内容:インビザラインによる非抜歯矯正
- IPR併用
本症例では、上顎前歯の形態が良好であったことに加え、下顎前歯の軽度叢生も認められたため、修復治療より矯正治療の方が全体としてメリットが大きいと判断しました。
患者さまは、できるだけ費用を抑えたいという希望をお持ちでした。
そのため、できるだけシンプルな治療設計で、短期間に改善できるよう計画しました。
- 治療期間:約3か月
- 来院回数:4回
- アライナー枚数:初回13枚、追加なし
- 費用:約50万円(税込)
治療後の状態


治療後は、上顎正中の空隙が改善し、下顎前歯の軽度叢生も整いました。
前歯の見た目だけでなく、歯列全体としてもより自然な状態になりました。
患者さまからは、こんなに早く治療が終わると思っていなかったとの言葉をいただきました。
治療のポイント
この症例のポイントは、すきっ歯だけではなく、下顎前歯の叢生も含めて全体で判断したことです。
上顎前歯の形態が良い症例では、無理に修復治療で隙間を埋めるより、矯正治療で歯の位置を整えた方が自然な仕上がりになりやすいことがあります。
特に本症例のように、下顎にも軽度の叢生がある場合は、上下のバランスを考えて矯正治療を選択する意義が大きいと考えました。
また、患者さまのコンプライアンスと治療設計が適切であれば、正中離開の矯正治療は比較的短期間、比較的抑えた費用で終えられることも少なくありません。
副作用とリスク
- 歯の動きに伴い、痛みを感じる場合があります。
- インビザラインは、装着時間が不足すると予定どおりに歯が動かないことがあります。
- 治療期間には個人差があります。
- IPRを行う場合は、歯の形態や接触関係を考慮して慎重に行う必要があります。
- 矯正治療後は、後戻りを防ぐため保定装置(リテーナー)の使用が必要です。
- すきっ歯の症例では、舌癖や噛み合わせの影響が残ると、再び隙間が開くことがあります。
まとめ
すきっ歯の治療では、単に隙間を埋めるのではなく、歯の形を整えるべきか、歯の位置を整えるべきかを見極めることが大切です。
本症例では、上顎前歯の形態が良好で、さらに下顎前歯に軽度の叢生も認められたことから、修復治療ではなくインビザラインによる矯正治療を選択しました。
その結果、比較的短期間で自然な歯列を得ることができました。
また、症例によっては、矯正治療単独ではなく、ラミネートベニアやダイレクトボンディングを組み合わせた方が、より自然で審美的な仕上がりになることもあります。
当院では、すきっ歯に対して矯正、ダイレクトボンディング、ラミネートベニアそれぞれの治療実績があるからこそ、患者さまに合った方法をご提案しています。
前歯のすき間が気になる方は、お気軽にご相談ください。