今回は、インビザライン症例として、前歯の歯並びを気にされていた30代女性に対し、非抜歯矯正を行った治療例をご紹介します。
当院では、見た目を整えるだけでなく、かみ合わせや清掃性、治療後の安定性まで考えながら治療方針を決めています。
本症例では、骨格や歯列のバランスを確認したうえで、抜歯を行わずに治療を進めました。
主訴と初診時の状態

患者さまは、前歯のガタガタを治したいことを主訴に来院されました。
笑った時に見える前歯のねじれや歯並びが気になっており、できるだけ目立ちにくい方法で改善したいというご希望がありました。
初診時には、上顎前歯の捻転(ねじれ)と、下顎前歯に軽度の叢生(ガタガタ)が認められました。
- 年齢・性別:30代 女性
- 主訴:前歯のガタガタを治したい
- 不正咬合の種類:軽度の叢生(ガタガタ)
治療の内容と詳細
・治療内容:非矯正治療、インビザライン(マウスピース矯正)
精査の結果、骨格や歯列のバランスが比較的良好であったため、抜歯やIPR(歯と歯の間を削ってスペースをつくる処置)を行わず、インビザラインによる全顎的な矯正治療を行いました。
初回アライナーに加えて、追加アライナーを1回使用し、最終的な位置まで歯を移動させました。
患者さまは、笑った時に見える歯のねじれを特に気にされていましたが、目立ちにくい装置で治療を進めることができ、比較的短期間で改善が得られたことを喜んでおられました。
- 治療期間:約8か月(追加アライナー1回、合計43枚、交換日数3日〜5日)
- 来院回数:約6回
- 治療費:約70万円(税込)

見た目の印象が自然になっただけでなく、歯の重なりが減ったことで清掃性も向上しました。
矯正治療では、歯並びを整えることに加えて、治療後に維持しやすい状態をつくることも大切です。
治療のポイント 〜今回のインビザライン症例で工夫した点〜
一般的に、20度以上の歯のねじれをマウスピース型矯正装置だけで改善するのは難しいことがあります。
本症例では、上顎側切歯に約45度の回転が認められたため、治療開始時にはワイヤー矯正の併用も選択肢として考えました。
しかし、患者さまと相談のうえ、歯を回転させるためのアタッチメントの設定や治療設計を工夫し、マウスピース矯正のみで治療を進めました。
また、患者さまご自身が装着時間や使用方法をしっかり守ってくださったことも、良好な結果につながった大きな要因です。
副作用とリスク
- 歯の動きに伴い、痛みを感じる場合があります。
- マウスピース型の装置をご使用の場合は、医師の指示を守って装着していただく必要があります。
- 装着時間が不足すると、予定どおりに歯が動かないことがあります。
- 治療期間は事前の診断によりお伝えしますが、歯の移動には個人差があるため、予定より長くなる場合や短くなる場合があります。
- 矯正治療終了後は、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りが生じる場合があります。後戻りを防ぐため、保定装置(リテーナー)の使用が必要です。
まとめ
マウスピース矯正は、見た目の自然さや日常生活での快適さに配慮しながら歯並びを改善できる治療法です。
一方で、歯のねじれの程度や骨格、かみ合わせによって治療の難易度は異なるため、事前の診断と治療設計が重要です。
当院では、見た目だけでなく、かみ合わせや清掃性、治療後の安定性も考えながら矯正治療を行っています。
前歯のガタガタや歯並びでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。