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(後編)マウスピース矯正のメリット・デメリットを徹底解説|当院の考え

 マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、取り外しが可能な矯正装置として人気の高い治療法です。ですが、「本当に効果があるの?」「デメリットはないの?」と疑問を感じる方も少なくありません。

  本記事は前の記事に続きます。

 前編では一般的なマウスピース矯正のメリット・デメリットから、一般的なメリットに関する当院の見解を解説させていただきました。後編では一般的なデメリットに対する当院の見解やデメリットを最小限にするための取り組みに関して解説していきます。

・装着時間の管理が必要→その通り

会食が多い等様々な理由から1日20~22時間の装着が難しい方は実際に予定通りに治療が進まないことが多いです。プライベートはしっかり楽しんでいただきたいので、装置の装着を強要するのもはばかられます。

・適応できる症例に限りがある→知識や経験が必要だがほぼ全ての症例に対応できる

 確かにマウスピース単独で歯列矯正治療を完結させられる症例には限りがありますが、顎間ゴム・矯正用アンカースクリューやMSE等の補助装置を使用することで外科矯正が必要な症例以外のほとんどの症例に対応する事ができます。これらの補助装置はマウスピース矯正に限らず、ワイヤー矯正でも標準的に使用されています。

・効果が出るまで時間がかかる場合がある→効果を実感するまでに時間がかかる場合がある

 マウスピース矯正では全ての歯を同時に動かすといった動かし方はあまり行いません。そのため歯を並べるスペース作りのために歯列の遠心移動(歯を後ろに動かして隙間を作る)が必要な場合、前歯が動き始めるまで半年~1年程度かかるので見た目の変化を感じるまでに長い時間がかかり、モチベーションが下がってしまう場合があります。また、歯を圧下(歯を根っこの方向に押し込む動き)などはマウスピース単独では時間がかかる場合があります。

・紛失や破損のリスク→その通り

 同じマウスピースの装着期間が長くなる場合、夜間の歯軋りですり減ったり、割れてしまうこともあります。また、取り外した際に踏んで破損したり、どこかに置き忘れてなくしてしまうことも稀にあります。

・装着初期の違和感→その通り

 多くの方が1週間程度で慣れますが、中にはどうしても使うことができなくて治療を断念した方少ないですがいらっしゃいます。口に異物が入っているので気持ちが悪い、喋り辛い等の違和感があります。

・費用が高めになりやすい

 ワイヤーに比べて材料費や技術料が高いので、同等の治療を行おうと思うとどうしても費用は高くなってしまいます。歯を動かす量やマウスピースの枚数を減らす、あるいは複数のメーカーのマウスピース型矯正装置を適切に選択することで治療費を抑えることもできます。

 長くなりましたが、マウスピース矯正には以上のような特徴があります。

当院の取り組み

 はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニックでは、マウスピース型矯正装置のデメリットを少しでも減らし、メリットを最大限に活用するために様々な取り組みを行なっています。

・遠隔モニタリング用ソフト(invisalign virtual care)を使用したモニタリング

 専用のアプリを通じてマウスピースの装着時間の報告や治療経過の写真を共有して頂きます。通院せずに治療の経過をある程度把握できるので治療の質を保ったまま通院間隔を長くすることができます(2025年1月現在、お口の清掃を兼ねて3ヶ月に1回程度、かかりつけの歯科医院がある方は半年に1回程度)。遠方から通ってくださる方や県外に進学中のお子さんも多いのでこれは本当に助かっています。また、メッセージのやり取りもできるので、不安の解消やモチベーションの維持にもつながるのではないでしょうか。当院では、マウスピースを交換する毎に写真を送ってくださる方の方が治療が早く終わる傾向にあると感じています。遠隔モニタリングを行っていない頃は患者様にわざわざ来ていただいてお口の中を一瞬確認するだけで診察が終わったり、歯が全く予想外の動きをしていて大慌てでリカバリー処置をすることもありました。

・加速装置を使用した装着期間の短縮

 歯の動かし方に応じて光照射型・振動型の加速装置を毎日使用して頂き、マウスピースの交換日数を短縮しています。一般的にマウスピースの交換日数は7日~14日ですが、当院では5日~7日で交換して治療を進めています。そのことにより治療期間の短縮が目指せる他、マウスピースの汚染や破損をリスクを下げることができるのではないかと考えています。3日で交換して治療を行なっていた時期もありましたが、上手く動かなかったり、3日で動かせる動きにこだわった結果マウスピースの枚数が増えてしまっていた等の問題があり、現在は適切なペースで歯を動かしながら5日で交換して頂くことが多いです。

・学会や研修会への参加、論文のチェック

 マウスピース矯正はAIではなく、担当医が患者様一人一人の歯の最終位置やそれに至るまでの歯の動きとを決めています。高度な専門技術が求められる治療であり、世界中の歯科医師の研究と努力で進化し続けています。当院では常に学会や研修会に参加し、最新の情報や治療技術を積極的に取り入れています。その結果、5年前と比較して治療精度は大幅に向上し、治療期間も従来の2/3から1/2程度に短縮されています。

まとめ

 マウスピース矯正は従来のワイヤーを軸にした矯正治療と比べると透明で目立ちにくく、取り外し可能で清潔な非常に魅力的な治療です。マウスピース矯正は、透明なマウスピースをはめるだけで歯が動くという簡単そうなイメージとは裏腹に、患者様自身が治療を管理し、日々適切にマウスピース型矯正装置を装着し続けるというストイックな治療です。当院では、少しでも快適かつ短期間で効果的な治療を提供できるよう様々な工夫を行なっています。

 前編・後編を通して、マウスピース矯正のメリット・デメリットと、それに対する当院の見解や対応策について解説させていただきました。高知市でマウスピース矯正をお考えの方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。