電話番号 お問い合わせ WEB予約 お問い合わせ 無料相談 お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

080-882-0220

COLUMN

コラム
【インビザライン症例】重度の上顎叢生と開咬を伴う12歳女児に対して、インビザラインで非抜歯治療を行った症例

【インビザライン症例】重度の上顎叢生と開咬を伴う12歳女児に対して、インビザラインで非抜歯治療を行った症例

 今回は、上顎の重度叢生と開咬を認めた12歳女児に対し、インビザラインで非抜歯治療を行った症例をご紹介します。

初診時には、上顎に重度の叢生、下顎に中等度の叢生がみられ、開咬も認められました。
また、下顎劣成長傾向があり、舌突出癖の関与も疑われました。夜間の歯ぎしりも自覚されていました。

小児期の矯正では、歯並びだけでなく、成長や機能の変化も見ながら治療を進める必要があります。
本症例でも、治療開始後に第二大臼歯の萌出に伴って開咬が悪化し、咬合の調整に時間を要しました。

主訴と初診時の状態

インビザライン治療前の口腔内。

患者さまは、歯並びのガタガタを治したいことを主訴に来院されました。

初診時には、上顎に重度の叢生、下顎に中等度の叢生が認められ、前歯部には開咬がみられました。
また、下顎劣成長傾向があり、舌突出癖の関与も疑われる状態でした。夜間の歯ぎしりも自覚されており、歯列だけでなく口腔機能も含めて診る必要がある症例でした。

  • 年齢・性別:12歳 女児
  • 主訴:前歯のガタガタを治したい
  • 上顎:重度の叢生
  • 下顎:中等度の叢生
  • 不正咬合:開咬
  • 特記事項:下顎劣成長傾向、舌突出癖が疑われる、夜間の歯ぎしりを自覚

治療の内容と詳細

  • 治療内容:インビザラインによる非抜歯拡大治療
  • 本症例では、成長期であることをふまえ、非抜歯で歯列の拡大を行いながら配列を整える方針としました。当院では、小児期の矯正において、すべての歯が生えそろってから抜歯矯正を行うという考え方だけではなく、成長期のうちに顎の成長を促し、より良い状態を目指す治療設計も大切にしています。小児期の側方拡大は、歯が並ぶスペースを確保して非抜歯で治療できる可能性を高めるだけでなく、鼻腔や上気道、鼻呼吸のしやすさに影響する可能性も報告されています。ただし、その効果は症例によって異なり、長期的な安定性については慎重な評価が必要です。 また本症例では、下顎の前方誘導(MA:Mandibular Advancement)も組み込んで治療を行いました。叢生の改善だけでなく、成長発育を利用しながら咬合関係も整えることを意識した設計です。

  • 治療期間:約2年6か月
  • 来院回数:約18回
  • アライナー枚数:初回30枚(MAを組み込み)、追加36枚(MA)、追加24枚、追加35枚
  • 治療費:約100万円(税込)
インビザライン治療開始後約半年の口腔内。右側第二大臼歯の萌出による早期接触によって開咬が生じた。

治療中の経過

治療開始から約半年で、叢生はかなり改善し、歯列は整ってきました。
ただ、その後第二大臼歯の萌出に伴って開咬が悪化し、咬合の再調整が必要になりました。

小児の矯正では、途中で萌出してくる歯の影響を受けることがあります。
本症例でも、見た目の配列は早い段階で改善しましたが、その後に咬み合わせを整えるための期間が必要でした。

インビザライン治療後の口腔内。前歯部の咬合がやや浅い。
インビザライン治療前後の口元の様子。

治療後の状態

治療後は、歯列は整い審美的な改善も認められました。

一時的に噛まなくなっていた臼歯部の咬合も安定しています。

ただし、舌突出癖に伴う開咬傾向は一部残っているため、現在もMFTを継続しながら経過をみています。

インビザライン治療のポイント

この症例で重要だったのは、小児期の重度叢生に対して非抜歯で治療を行ったことと、開咬の背景にある機能的な問題もあわせてみたことです。

叢生の改善自体は比較的早い段階で得られましたが、第二大臼歯の萌出によって開咬が悪化し、その後の咬合調整に時間を要しました。
また、舌癖による影響が残っていることからも、こうした症例では歯並びだけでなく、機能面への対応も欠かせません。

副作用とリスク

  • 歯の動きに伴い、痛みを感じる場合があります。
  • インビザラインは、装着時間が不足すると予定どおりに歯が動かないことがあります。
  • 成長期の矯正治療では、萌出途中の歯の影響で治療計画の修正が必要になることがあります。
  • 開咬を伴う症例では、舌突出癖などの機能的な問題が残ると、後戻りや咬合の不安定につながることがあります。
  • 下顎前方誘導を含む治療では、成長や咬合の変化を継続的に評価する必要があります。
  • 矯正治療後も、経過観察やMFT、保定が必要になる場合があります。
  • 矯正治療後は、後戻りを防ぐため保定装置(リテーナー)の使用が必要です。

まとめ

小児の叢生では、歯並びだけでなく、成長や機能の問題もあわせて考えることが大切です。
本症例では、上顎の重度叢生、下顎の中等度叢生に対して、インビザラインで非抜歯治療を行い、下顎の前方誘導も取り入れながら咬合を整えました。

一方で、第二大臼歯の萌出や舌癖の影響もあり、途中で治療計画の調整が必要になりました。
このように、小児矯正では見た目だけでなく、成長の変化まで含めて丁寧に経過を追うことが重要です。

お子さまの歯並びや開咬、ガタガタでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。