「歯を白くしたい」「結婚式までに口元を整えたい」「セラミック治療の前にホワイトニングをした方がよいですか」といったご相談を多くいただきます。
ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニング、ご自宅で行うホームホワイトニング、両方を組み合わせるデュアルホワイトニングがあります。当院では、単に歯を真っ白にすることではなく、歯の色・形・質感・歯並び・歯肉との調和まで考え、その方にとって自然な口元を目指します。
ホワイトニングでできること・できないこと
ホワイトニングは、天然歯の色を明るくする治療です。加齢に伴う黄みや飲食物・嗜好品による着色に対し、歯本来の色調を明るくしていきます。
一方で、セラミッククラウン、レジン、詰め物・被せ物などの人工物はホワイトニングでは白くなりません。歯の大きさ・形・左右差・すり減り・隙間・歯並び・歯肉の見え方も、ホワイトニングだけでは変えられません。必要に応じて、ダイレクトボンディング、ラミネートベニア、セラミッククラウン、矯正治療などを組み合わせます。
当院のホワイトニング治療については、ホワイトニングの診療案内もご覧ください。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングです。当院ではティオンオフィスを使用しています。短期間で変化を感じたい方、まず白さの変化を確認したい方、結婚式や撮影などの予定がある方にも適した方法です。施術時間は約120分です。
ただし、1回のオフィスホワイトニングだけで最終的な色を決めることは、当院ではあまりおすすめしていません。患者さんがイメージされる白さまで整えるには、複数回のオフィスホワイトニングに加え、ホームホワイトニングをしっかり続けていただく必要があることもあります。そのため当院では、複数回のオフィスホワイトニングプランもご用意しています。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、患者さん専用のマウストレーを作製し、ご自宅で薬剤を使用していただく方法です。当院ではアンジェラスホーム16%を使用しています。
ご自宅で継続することで、急激に白くするのではなく、色を細かく調整しながら、より安定した白さを目指します。患者さんご自身の継続が必要ですが、色の変化を確認しながら目標色に近づけることができるため、当院では非常に重要な治療だと考えています。
当院がデュアルホワイトニングをすすめる理由
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせる方法です。当院では、基本的にオフィスホワイトニングの後にホームホワイトニングを行っていただきます。ただし、予定や歯の状態によっては、ホームホワイトニングを先に行うこともあります。
オフィス後には、ホームホワイトニング薬剤を2本使用していただくことを基本としています。その後は、希望する白さや後戻りの程度に応じて、薬剤を追加購入していただきます。オフィスホワイトニングで変化のきっかけをつくり、ホームホワイトニングで色を丁寧に整える。この組み合わせが、自然で満足度の高い白さにつながると考えています。
年齢とともに歯の黄みが気になりやすくなる理由
年齢を重ねると、歯の内部には二次象牙質が形成され、外側のエナメル質も少しずつ摩耗します。エナメル質は半透明で、その内側にある象牙質は黄色みを帯びています。そのため、象牙質の色が見えやすくなり、歯全体が以前より黄色く、濃く見えることがあります。
これは単なる表面の着色だけではなく、歯の構造の変化が関わることもあります。加齢に伴う黄みはホワイトニングで改善できることも多い一方、目標とする白さまで整えるには、複数回のオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの継続が必要になる場合があります。
犬歯の色が気になる場合
犬歯は、前歯の中でももともと黄みが強く、濃く見えやすい歯です。ホワイトニングへの反応には個人差があり、犬歯が必ず白くなりにくいわけではありません。しかし、切歯と比較して色の差が残りやすく、「犬歯だけ気になる」と感じる方は少なくありません。
まずはホームホワイトニングを継続し、天然歯としてどこまで自然に明るくできるかを確認します。それでも前歯との色差が気になる場合は、ラミネートベニアを含め、色・形・質感まで整える治療を検討します。ホワイトニング後に小さな欠け、隙間、先端の不揃い、わずかな左右差が気になる場合には、歯をできるだけ削らずにレジンを足すダイレクトボンディングを選択することがあります。
前歯のセラミック治療の前に、ホワイトニングをした方がよいですか?
当院では、前歯のセラミック治療を行う際、可能であればホワイトニングを併用することをおすすめしています。
セラミッククラウンやラミネートベニアなどの修復物は、新しく作製する時点の周囲の歯の色に合わせて作製します。先に天然歯をホワイトニングで整えておくことで、より清潔感があり、自然で明るい笑顔を目指しやすくなります。
また、ホワイトニングで白くなるのは天然歯です。セラミック修復物の色は、後からホワイトニングを行っても変えられません。先にセラミック治療を行ってから周囲の歯だけを白くすると、色の差が目立ち、修復物を作り替える必要が生じることがあります。そのため当院では、まずホワイトニングで天然歯の色を確認し、その色を基準に修復物を設計することを基本としています。
前歯の色・形・質感を整える考え方は、矯正だけでは理想の口元にならないこともでもご紹介しています。
神経を取った歯が黒い場合|ウォーキングブリーチという選択肢
神経を取った歯(失活歯)は、時間の経過とともに内側から色が濃くなることがあります。天然歯の部分が十分に残っている場合、当院ではウォーキングブリーチ(内部漂白)を提案することがあります。
ウォーキングブリーチは、歯の内部に薬剤を入れて、内側から色を明るくする治療です。薬剤の交換は2〜3回となることが多いですが、歯の状態や目標色によって回数は異なります。
当院では、初回の処置を特に重要だと考えています。古い修復物や根管内のガッタパーチャを必要に応じて除去し、薬剤が根の先へ影響しないようにバリアを形成します。これらはマイクロスコープ下で丁寧に行います。歯の内部の清掃やバリア形成を優先するため、初回に薬剤を入れないこともあります。
根管治療が必要と判断した場合は、まず自由診療での根管治療を行い、内部の状態を整えてからホワイトニングを検討します。目標とする色より少し明るくなった段階で、薬剤を中和する処置を行い、その後に根管口を封鎖します。支台歯の色が悪い場合には、セラミッククラウン治療の前にウォーキングブリーチを行い、より自然な色調を目指すこともあります。
治療中に歯の亀裂が見つかり、薬剤を歯の内部に保持できないことが分かる場合もあります。その場合は内部漂白を中止し、その歯をできるだけ長く残すために必要な治療を優先します。
結婚式・前撮り・成人式が決まったら、早めにご相談ください
結婚式、前撮り、成人式など、大切な日のために口元を整えたい方は、予定が決まった時点でご相談ください。
ご相談は約30分で承っていますが、実際の処置時間を確保できない場合があります。オフィスホワイトニングは1回約120分、ウォーキングブリーチは初回処置に60〜90分程度を要します。直前のご相談では、必要な処置時間やホームホワイトニングの期間を十分に確保できず、目指す状態に届かないまま当日を迎えなければならないことがあります。
大切なイベントに向けた歯の治療も、会場や衣装と同じように、早めに予定と予算へ組み込んでいただくことをおすすめします。
どうしても短期間で見た目を整えたい場合
予定までの期間が限られ、ホワイトニングだけでは希望する白さに間に合わない場合には、歯列と顔貌をデジタルスキャンして設計し、コンポジットレジンで作製した薄いベニアを歯の表面に貼り付ける「コンポジットベニア」を検討できることがあります。
この方法は、結婚式・前撮り・成人式など、特定の日に向けて見た目を整えるための選択肢です。イベント後も長く使い続けることを前提にはしていません。上顎前歯6本では製作費を含め約15万円、上下の前歯では約30万円が目安になります。
歯肉の状態、エナメル質の残り方、噛み合わせなどの条件が整っていれば、破折するまで使用できる場合があります。一方で、条件が良くない場合は破折しやすくなります。また、長期間使用すると、コンポジットレジンは変色したり、歯との境目が目立ったりしやすくなります。そのため当院では、短期間で見た目を整えたい場合の選択肢としてご説明しています。
よくあるご質問
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングは、どちらがよいですか?
短期間で変化を感じたい方にはオフィスホワイトニング、色を丁寧に調整し安定させたい方にはホームホワイトニングが向いています。当院では、両方を組み合わせるデュアルホワイトニングを基本的におすすめしています。
犬歯だけ黄色いのですが、ホワイトニングで改善しますか?
改善する可能性はあります。ただし、犬歯はもともと黄みが強く見えやすく、切歯との色差が残ることがあります。ホームホワイトニングを継続しても気になる場合は、ラミネートベニアなどによる自然な色・形の調整を検討します。
小さな欠けや隙間も、ホワイトニング後に治せますか?
はい。ごく小さな欠け、隙間、先端の不揃いなどは、ダイレクトボンディングで整えられる場合があります。歯をできるだけ削らない治療を優先して検討します。
神経を取った歯も白くできますか?
歯の状態と天然歯の残り方によっては、ウォーキングブリーチで内側から明るくできる場合があります。根管治療の状態、歯の強度、古い修復物の状態を確認した上で適応を判断します。
ホワイトニングはどのくらい白さが続きますか?
食生活や着色習慣、歯の性質によって個人差があります。色の後戻りは起こり得ますが、必要に応じてホームホワイトニングを追加することで、白さを維持・調整できます。
※ホワイトニングの適応・効果・知覚過敏の出方には個人差があります。虫歯、歯周病、強い知覚過敏、修復物や根管治療の状態によっては、先に必要な治療を行う場合があります。
参考文献
- Alqahtani MQ. Tooth-bleaching procedures and their controversial effects: A literature review. Saudi Dental Journal. 2014. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4229680/
- Wetter NU, Branco EP, Deana AM, Pelino JEP. Color differences of canines and incisors in a comparative long-term clinical trial of three bleaching systems. Lasers in Medical Science. 2009. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18648869/