矯正治療を検討するとき、多くの方が最初に気になるのは費用ではないでしょうか。
インターネットでは「インビザライン○万円」「ワイヤー矯正○万円」といった料金が掲載されています。しかし、同じように見える金額でも、精密検査、治療計画、毎回の調整、追加アライナー、補助装置、治療後の保定など、含まれている範囲は医院によって異なります。
矯正治療費は、装置の価格だけでなく、治療開始前から保定までの総額と、追加費用が生じる条件を一緒に確認することが大切です。
当院では治療開始前に見積もりをご提示します
当院では、精密検査・診断を行ったうえで、インビザライン、ワイヤー矯正、補助装置、抜歯、保定装置など、予定される治療内容と費用をご説明します。
通常の診察・装置調整・アライナーの適合確認は治療費に含まれます。一方、専門的クリーニング、虫歯・歯周病の検査や治療、患者さんの希望による規定外の追加治療などは別途となります。
矯正精密検査・診断料
矯正精密検査・診断料は33,000円です。矯正治療費とは別に必要となります。
診断料には、次の内容を含みます。
- 口腔内診査、顔貌写真・口腔内写真
- パノラマエックス線、セファログラムの撮影と分析
- CT撮影(全例)
- 口腔内スキャンまたは印象採得
- 歯列、顎骨、顔貌、噛み合わせの総合分析
- 治療計画の作成と説明
- インビザライン、ワイヤー矯正、IPE、MSE、アンカースクリューなどの適応判断
矯正相談の相談料はいただいていません。ただし、お口の状態を確認するために行う初診診察とレントゲン撮影には、通常の初診料・撮影料がかかります。この費用は精密検査・診断料へは充当されません。
成人インビザラインの治療費
| パッケージ | 治療費 | 初回ステージ | 規定内の追加 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| エクスプレス | 330,000円 | 最大7 | 1回/初回出荷から6か月以内 | 2〜4か月 |
| ライト | 495,000円 | 最大14 | 1回/初回出荷から1年以内 | 3〜7か月 |
| モデレート | 770,000円 | 最大26 | 2回/初回出荷から2年以内 | 6〜18か月 |
| コンプリヘンシブ | 1,100,000円 | 必要なステージ数 | 当院標準治療期間3年内は回数制限なし | 18〜36か月 |
治療費には、アライナー、口腔内スキャン、ClinCheckによる治療計画、アタッチメント、IPR、必要に応じた顎間ゴム、通常の診察・適合確認、規定内の追加アライナー、医院判断による数歯・短期間の補助的ワイヤーを含みます。
ワイヤー矯正の治療費
| 治療方法 | 治療費 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|
| 全顎ワイヤー矯正 | 990,000円 | 2年〜2年半 |
| 部分ワイヤー矯正 | 440,000円 | 1年〜1年半 |
通常の診察、装置調整、ワイヤー交換、一般的な矯正材料、装置の撤去などは治療費に含まれます。部分矯正の適応は歯数だけではなく、治療目的、範囲、期間、噛み合わせの管理から判断します。
小児矯正・拡大治療
| 治療方法 | 治療費 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|
| インビザライン・ファースト | 660,000円 | 1年半〜2年 |
| IPE加算 | 165,000円 | 拡大2〜4か月 |
| MSE | 330,000円 | 拡大1〜3か月 |
インビザライン・ファーストの治療費には、アライナーだけでなく、アライナー治療に先行して使用するプレオルソやマイオブレースなどの機能的矯正装置と、その使用指導・経過確認も含みます。IPE、MSEの期間は、主に上顎を拡大する期間の目安です。その後の歯列矯正や保定は別に必要です。
通常の調整料は治療費に含まれます
ワイヤー矯正は原則月1回、インビザラインは通常2〜3か月に1回を目安に診察します。これらの通常の診察、装置調整、アライナーの適合・経過確認について、毎回の矯正調整料はいただきません。
インビザラインの装着時間が不足している場合や適合に不安がある場合には、毎月ご来院いただくことがあります。反対に、治療が安定し、海外留学・赴任などで定期来院が難しい場合には、オンライン確認を併用し、対面診察が半年から1年に1回程度となることもあります。
専門的クリーニングや虫歯・歯周病管理は別途です
矯正治療中は、装置周囲に汚れが停滞し、虫歯、歯の脱灰、歯肉炎、歯周病のリスクが高くなることがあります。
矯正診療時には口腔衛生状態を確認して清掃方法をご説明しますが、専門的クリーニング、歯周病検査、スケーリング、虫歯・歯周病治療、継続的な口腔管理は矯正治療費に含まれません。実際の状態と処置内容に応じた窓口負担が生じます。
追加費用となる可能性がある項目
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 歯科矯正用アンカースクリュー | 1本22,000円 |
| 大臼歯圧下 | 片側1部位165,000円+スクリュー代 |
| 計画的ワイヤーフェーズ | 220,000円 |
| 便宜抜歯 | 1本5,500円 |
| 規定外の追加アライナー | 55,000円 |
| 患者側の原因による著しく反復する装置再製作・再装着 | 33,000円 |
追加処置が必要と判断した場合は、理由と費用を事前にご説明します。
保定装置まで含めて総額を考えます
歯を動かした後は、後戻りを抑えるための保定が必要です。当院の標準はクリアリテーナーです。前歯をよりしっかり保定したい場合には、クリアリテーナーと舌側ワイヤーの併用をご提案します。
| 保定装置 | 料金 |
|---|---|
| クリアリテーナー上下1セット | 33,000円 |
| クリアリテーナー上下3セット | 66,000円 |
| 舌側ワイヤー片顎 | 15,000円 |
| クリア上下1セット+舌側ワイヤー上下 | 50,000円 |
原則として最初の6か月はクリアリテーナーを終日装着し、その後は歯列と噛み合わせを確認しながら夜間装着へ移行します。舌側ワイヤーは、清掃状態、歯周組織、噛み合わせ、装置の状態に問題がない限り長期的に維持します。
見積書で確認していただきたいこと
- 精密検査・診断料が別か
- 通常の診察・調整料が含まれているか
- アタッチメント、IPR、顎間ゴムが含まれるか
- 追加アライナーの回数と期限
- ワイヤー併用が追加料金になる条件
- アンカースクリューや抜歯の予定
- 専門的クリーニングや虫歯・歯周病管理の扱い
- 保定装置の種類と費用
- 中断・治療方法変更・後戻りの条件
主なリスクと注意点
矯正治療では、歯の移動に伴う痛みや違和感、口内炎、虫歯、脱灰、歯肉炎、歯周病、歯根吸収、歯肉退縮、ブラックトライアングル、歯髄への影響、顎関節症状などが起こることがあります。予定どおりに歯が動かず、治療期間の延長、追加治療、装置や治療方法の変更が必要になる場合があります。
治療結果と期間には、装置・アライナー・顎間ゴムの使用、定期通院、口腔衛生管理が影響します。治療終了後も保定装置を使用しなければ後戻りする可能性があります。
※矯正治療は自由診療です。治療期間、通院回数、適応、必要な追加処置には個人差があります。